おかげさま(坐禅会法話より)
- 合掌

- 6月17日
- 読了時間: 2分
更新日:9月11日
「おかげさま」の意味は、感謝の気持を表す言葉、あるいは挨拶。一般的には、相手に対する感謝の気持から、お礼を述べるときに使われています。本来的には、神仏などの偉力を持つ存在の庇護の下にあることを「かげ」といっています。
一昔前は、よく耳にする言葉だったと思います。
「最近調子はどうですか。」「おかげさまで・・・」などと日常会話の中でよく使われていたと思います。しかし、最近はあまり聞かなくなりました。
・忙しいと 「暇になりたい」という
暇になると 「忙しくなりたい」という
・自分に都合がいい人は 「善い人だ」という
自分に都合が悪くなると 「悪い人だ」という
・借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる
と思ったことはないでしょうか。
私達はとかく、目先のことや目に見えるものにとらわれがちで、不平や不満に明け暮れ「おかげさま」という思いを失ってはいないでしょうか。
人間生まれたときは丸裸であります。一人歩きができるまでどれほどか声をかけられて手がかけられたでありましょうか。
食事を例にしますと、私たちは必ず食事をいただきます。
生きていくために当然のようにいただく食事には、お米・野菜・肉・魚…それぞれに命があり、それらを育ててくださる方、収穫される方、売買される方、調理される方がいらっしゃいます。私の目の前の食事の陰には、多くの命や多くの方々のはたらきがあります。
目には見えないけれども、そのはたらきを思うとき、当たり前ではないことに気付かされます。
そのはたらきを感じることが「おかげさま」の心を知るということではないでしょうか。
私達は自分一人では生きてはいけません。多くの命をいただき、たくさんの方々のおかげで生きています。
お釈迦さまは「すべてのものはつながりあって存在している」と説いておられます。目に見えるもの、目に見えないもの様々なつながりの中で、私がここに存在しているのです。 そして、私もそのつながりのなかの1つです。あわただしい日々に追われるなか生きる私たちですが、ふと立ち止まって過去を振り返る中に、「おかげさま」を感じ「ありがとう」と感謝の生活を送らせていただきたいものです。

