倩女離魂(公案より)
- 合掌

- 2月23日
- 読了時間: 2分
更新日:3月1日
人生をやり直すことができれば・・・
あの時、違う道を選んでいれば・・・
今の自分を変えたい、もっと幸せになりたい!
・・・なんて思うことはないでしょうか。
そして、本当の自分は・・・どこに!
そのこたえを導く公案を、ここでは紹介します。
≪公案≫
「倩(せい)女(じょ)離(り)魂(こん)、那(な)箇(こか)是(これ)真(しん)底(てい)」
時代は千年も昔、舞台は湖南省の衡陽、容姿端麗な倩女という娘と王宙という青年がおり、その二人は幼少の頃より許嫁の関係にあり、将来お互いに結ばれるのを楽しみにしておりました。しかし、ある日突然、倩女の父親が二人の結婚を認めず地元の有力者の息子に嫁がせることにしてしまいました。というのも、父親としては自分の先々の出世を考えると・・・とのことでした。
裏切られたと思い、王宙は町を飛び出していきました。たどり着いた先に、なんと倩女が立っていました。つまり、二人は駆け落ちしてしまったのです。その後、二人の子宝にも恵まれて幸せに暮らしておりました。あっという間に、五年の月日が過ぎていきました。そんな中、倩女は両親のことが気がかりで・・・。やがて、許しを請うために帰郷しました。いざ、実家の近くまで来ると倩女は不安になり、旦那の王宙に先にいって様子を見てきて欲しいといいます。王宙は、義理父を訪ね、これまでのいきさつを話しました。すると、義理父は、「なにをいっておる。倩女は、おまえさんが出ていってから、奥でずっと寝込んでおる。」とこたえます。王宙は、そんなはずはないと思い、倩女を連れてきました。すると、奥で寝込んでいた倩女が起き上がり、玄関口で二人の倩女が一つになってしまいました。
ここで、禅門の問いになります。
『駆け落ちした倩女と寝込んでいた倩女、どちらが本当の倩女なのか?』
生きていると、必ず、理想と現実が存在します。そして、人にはいろんな面があります。
時に、過去の自分、今の自分、未来の自分・・どの自分が本物なのかと悩むものです。しかし、どの自分も本当の自分なのかもしれません。あるいは、ひとつの自分を本物の自分として選ぶこと自体が・・・なのかもしれません。

